肝斑とは
両頬やあご、鼻の下にできる薄茶色のぼやけた色素斑で、左右対称、同じ大きさ、形で現れるのが特徴です。30歳以降にできやすいです。洗顔、化粧、マスクで顔を摩擦する、擦りすぎによる皮膚のバリア破壊が起きて、灰褐色、茶褐色、紫褐色の色素沈着ができる状態になります。最近は、化粧品の種類・品目が増えたことで、念入りに化粧をして、肌を過剰に擦るようになります。そして「擦りすぎによる皮膚のバリア破壊」がおこります。バリアが破壊された状態が続くと肝斑・色素沈着が生じます。 日焼け(紫外線)で悪化するので、日焼け対策が必要になります。肝斑は難治性で治りにくいため、長期間の努力が必要になります。 赤ら顔、毛細血管拡張が併発していることがあります。
肝斑としみ(老人性色素斑)の違い
・老人性色素斑は、その色素細胞が異常になっているので、異常な細胞をレーザーで破壊するとしみが除去されて、なくなります。それに対し肝斑は、その色素細胞は正常で、機能的に色素沈着が亢進しているだけなので、レーザーで色素を破壊してしまうと、逆に濃くなってしまうことがあります。 刺激を無くして、沈静化すると、自然に色素が薄れていきます。
肝斑・くすみ・色素沈着の治療法
肝斑の治療法には日常生活のケアを含めて9つの選択肢があります
①日常生活の改善(こすらない)
優しいスキンケアが大事です。
刺激のないマイルドな化粧品を使用しましょう。また防腐剤の少ない化粧品を使いましょう。
②日焼けをしない
・日焼け止め(SPF 30以上)を塗りましょう。
・日中の日差しをなるべく避けましょう。
・日陰を探しましょう。
・日傘をさしましょう
・つばの広い帽子をかぶりましょう。
・紫外線カットの衣類やサングラスを使用しましょう。
③乾燥ををさせない:保湿剤を塗る
④塗り薬(ビタミンC誘導体、トレチノイン、ハイドロキノン、アゼライン酸)
⑤飲み薬(トラネキサム酸・トランサミン・ユベラ錠)
⑥イオン導入・超音波導入(妊娠中はできません)
⑦ケミカルピーリング
⑧エレクトロポレーション(ビタミンC・トラネキサム酸)
⑨Vビームレーザー治療(赤ら顔の部分)
※治療には時間がかかります。根気強く治療を行わなければなりません。
※基本的にはレーザー治療等は行いません。レーザー治療で逆に色が濃くなったり白斑になる場合があります。
肝斑の治療費用
治療 | 税込(税抜) |
---|---|
原因の除去 | 0円 |
ワセリン | 保健適応 |
ヒルドイド | 保健適応 |
ハイドロキノンクリーム | 2.200円(2.000円) |
0.1%トレチノイン外用 | 1.485円(1.350円) |
0.05%トレチノイン外用 | 1.320円(1.200円) |
アゼライン酸 | 1.980円(1.800円) |
イオン導入:ビタミンC | 3.300円(3.000円) |
イオン導入:トラネキサム酸 | 5.500円(5.000円) |
超音波導入:ビタミンA | 3.300円(3.000円) |
イオン導入(ビタミンC)+音波導入(ビタミンA) | 6.600円→4.400円 |
イオン導入(ビタミンC)+イオン導入(トラネキサム酸)+音波導入(ビタミンA) | 12.100円→6.600円 |
エレクトロポレーション:ビタミンA | 6.600円(6.000円) |
エレクトロポレーション:ビタミンC | 6.600円(6.000円) |
エレクトロポレーション: トラネキサム酸 | 8.800円(8.000円) |
成長因子(グロースファクター) | 11.000円(10.000円) |
エレクトロポレーション:(ビタミンA+トラネキサム酸) | 15.400→9.900円 |
エレクトロポレーション: (ビタミンA+トラネキサム酸+成長因子) | 26.400円→15.400円 |
ケミカルピーリング | 7.700円(7.000円) |
トラネキサム酸内服(30日分) | 2.310円(2.100円) |
ユベラ錠内服(30日分) | 1.320円(1.200円) |
トラネキサム酸+ユベラ内服(30日分) | 3.630円(3.300円) |