ボトックス注射とは、ボツリヌス菌が生成する毒素を利用した治療法です。顔の表情筋に注入することでその筋肉の動きを緩めることで、しわを軽減する治療法です。ボトックスを打つ場所や、打ち方により様々な効果が期待できます。

①顔の表情筋の場合

表情を作る筋肉にこれを注射すると、表情の筋肉が動きにくくなり、深いシワができにくくなります。 目的の表情筋に注射をします。3か月から6か月の間はシワが軽減できます。効果がうすれてきた頃に追加のボトックス注射をおこないます。
・眉間の縦のシワの場合4～6ヶ所の注射をします。
・おでこのシワの場合6～12ヶ所の注射をします。
・目尻シワの場合片側で4～12ヶ所の注射をします。
・鼻根部の場合4～8か所の注射をします。
・あご先端のシワの場合4～6ヶ所の注射をします。
・口角場合片方で3～6か所の注射をします。

②皮膚ボトックスの場合

水光注射で皮膚の浅いところにボトックスを打ちます。水光注射とは自動注射の機械を使用し、9本の極細針を顔全体の皮膚に刺し、細かく満遍なくボトックスを注入します。毛穴の引き締め効果や皮脂や汗の分泌を防いだり、ちりめんジワや小ジワができにくくなります。

③エラボトックスの場合

エラの部分にボトックスを多めに注入をします。ボトックス注射で動かなくなった筋肉は徐々に痩せていき、ボリュームが減り、エラが縮小していきます。効果は6か月から9か月ほど持続します。効果がきれてきたころに、またボトックスの注入をおこないます。

④脇多汗症の場合

脇の皮膚にボトックスを打つと、汗が軽減できます。原理は交感神経から伝達される汗を出す信号をブロックすることで発汗を抑えます。一度の注入で3か月から6か月ほど脇の汗が抑えられ、汗のにおいも軽減できます。

⑤傷痕・ケロイドボトックスの場合

ボトックスの注入により、皮膚の張力を和らげ、ケロイドや肥厚性瘢痕の肉芽の過剰な増殖を抑えることが期待できます。