脂肪腫(リポーマ)とは
脂肪腫は、皮膚の下に発生する柔らかく動くしこりです。通常、良性で痛みを伴うことは少ないですが、サイズが大きくなると不快感や美容上の問題を引き起こすことがあります。脂肪腫は、体のどの部分にも発生する可能性がありますが、特に背中、首、肩、腕などに多く見られます。
脂肪腫の症状
柔らかく動くしこり
脂肪腫は、柔らかく押すと動くしこりとして感じられます。痛みはほとんどありません。
大きさの変化
時間と共に脂肪腫が大きくなることがありますが、急激な変化がある場合は注意が必要です。
不快感
大きくなった脂肪腫は、不快感や周囲の組織に圧迫を感じることがあります。
美容的な問題
目立つ場所に脂肪腫ができると、美容的な問題を引き起こすことがあります。
多発性脂肪腫
一部の人は、複数の脂肪腫が同時に発生することがあります。
脂肪腫の原因
①:遺伝的要因
脂肪腫は遺伝的に発生しやすい傾向があります。家族に脂肪腫が多い場合、自分自身も発生する可能性が高いです。
②:皮膚の損傷
傷や外傷が原因で脂肪腫が形成されることがあります。
③:過剰な脂肪細胞の増殖
脂肪細胞の異常な増殖が脂肪腫の原因となります。
④:ホルモンの変化
ホルモンバランスの変化が脂肪腫の発生に影響することがあります。また肥満、高脂血症、糖尿病も脂肪腫の発生に関係があると言われています。
⑤:加齢
加齢と共に脂肪腫の発生リスクが高まることがあります。
脂肪腫の治療方法
①:経過観察
無症状の小さな脂肪腫は、経過観察のみで問題ない場合があります。 脂肪腫の大きさが2cm~3cmくらいの頃に、摘出することが望ましいです。 あまり、大きくなるまで経過をみると、大掛かりな手術になることもあります。
②:切除摘出術
大きくなる脂肪腫は切除することが望ましいです。 注射の局所麻酔を行い、脂肪腫を摘出します。細いナイロン糸や吸収糸で縫合をします。約1~2週間後に抜糸を行います。手術は通常15分から1時間程度で終了します。
治療費
切除手術による治療 | 自己負担 |
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切除手術 | 7,000円~18,000円(3割負担) |
手術後の注意点
・手術後の傷跡は、時間が経つと、ニキビ跡や細いシワのようになります。 ・ドッグイアーと呼んでいる凸凹が残ることがあります。 ・傷跡の手入れとして、テープ固定等を1~6ヶ月間行うと、かなり目立たなくなります。 ・傷痕が肥厚性瘢痕や、ケロイドになるリスクがあります。 ・脂肪腫は完全摘出をおこなっても、再発するリスクがあります。