異所性蒙古斑とは

生まれつき赤ちゃんのお尻が青い事を蒙古斑というのに対して、お尻以外で青い部分を異所性蒙古斑と言います。異所性蒙古斑も少しづつ薄くなりますが、完全には消えないことも多いです。色が濃い場合、面積が広い場合、多発する場合、境界がはっきりしている場合は消えないで残ることがあります。 異所性蒙古斑に対しては、早期にレーザー照射を行うことで、色調が薄くなる確率を高くなります。 3~4歳以降にレーザー治療をおこなうと、白斑が残る可能性もあることから、生後の早いうちからレーザーにて治療を行う必要があります。 お子さんの年齢が低いほうが、皮膚の厚みが薄いためレーザーの治療効果が高くなります。 成人になってから治療を開始すると、炎症後の色素沈着や白斑が残りやすくなったり、治療回数が何十倍もかかることがあります。
異所性蒙古斑の治療
お子さんの場合
・色の薄い蒙古斑は時間とともに薄くなっていくので時間を待ちます。
・自然に薄くならないような異所性蒙古斑にはピコレーザー治療をおこないます。
・1回の治療では完全には除去できないことが多く、繰り返し治療して、だんだん薄くしていきます。
・6~12か月間隔で治療をおこないます。
・保健適応です。
成人の場合
・成人まで色素が残存している異所性蒙古斑には、経過観察は行いません。すぐにピコレーザー治療をおこないます。
・1回の治療では完全には除去できないことが多く、繰り返し治療して、だんだん薄くしていきます。
・6~12か月間隔で治療をおこないます。
・成人の場合には、回数が多くかかることが多いです。
・日焼けや色素沈着している場合にはレーザー治療ができません。
・保健適応です。
レーザー治療について
レーザー治療の流れ
①氷で冷やしながらレーザー治療をします。痛みに弱い方は麻酔のシール(ペンレス)を貼ります。もしくは、局所麻酔をして治療を行います。
②ピコレーザー治療をします。
③2~3週間ほどハイドロコロイドゲル等を貼ります。
④2~3週間後に経過の診察があります。
レーザー治療の注意点
・1回の治療で薄くないことが多いです。
・6ヶ月後以降でもう一度治療を行います。以降は、この治療の繰り返しになります。
・自然に薄れるくらいの濃さになれば、治療は終了となります。
・使用するレーザー機器はピコレーザーの方が、Qスイッチレーザーよりも痛みや跡形や治療時間が少なく治療が行えます。
・レーザー治療は、通常傷跡は残りません。まれに傷跡や、ケロイドが残ることもあります。
・跡形はしばらく赤黒く(色素沈着に)や、白斑になる場合がありますが、数ヶ月から数年でほとんど消えて分からないくらいになります。
・治療部位を擦るなどをすると、傷跡や色素沈着が残ることがあります。
・治り方、効果には個人差があります。
・レーザー治療は万能ではありません。全ての状態が治るわけではありません。
・1回の治療で100%の効果があるわけではありません。
・治療結果を保証しているわけではありません。
面積 | 費用 |
---|---|
4c㎡ 未満 | 約6,000円(3割負担) |
16c㎡ 未満 | 約7,100円(3割負担) |
64c㎡ 未満 | 約8,700円(3割負担) |
64c㎡ 以上 | 約12,000円(3割負担) |
※子ども医療費助成がある場合、負担は0%になります。
※Qスイッチレーザーの場合は、回数制限があります。5回までの治療は健康保険適応になります。
※ピコレーザーの場合は、保険適応に回数制限がありません。
治療機器

ピコレーザー
米国キュテラ社エンライトンSR
アメリカFDA認可取得
厚生労働省認可取得

Qスイッチルビーレーザー
厚生労働省認可取得
レーザー治療を受けていただけない方
・日焼けをしている方(特に1ヶ月以内に長時間日光を浴びた方)
・施術後2週間以内に、長時間日光を浴びる予定のある方
・妊娠中の方
・ヘルペス、帯状疱疹の方
・アトピー性皮膚炎の薬を塗っている方
・活動性の感染症のある方
・予防接種、ワクチン接種の前後1週間
・切り傷やニキビなどの炎症部位への施術
・ケロイド体質の方
・光過敏症もしくは、光過敏性を高める薬剤をご使用中の方
・糖尿病、てんかんの方
・AIDSやHIVを含む免疫抑制疾患の方
・抗凝固剤をご使用中の方
・風邪・頭痛・発熱・二日酔い・疲労等など体調不良の方
・肝斑